2011年10月9日日曜日

デデのこと



ミンモより身体は小さいし、いつもミンモの弟なので、ちょっとくらいユルくても良しとしてデデに接しているところがあります。
いいんだよ〜、おつむの中身が小っちゃい分ゆ〜っくり成長しましょうねってな感じでしたが、そんなデデも3歳になりました。


そのうちにと構えていましたが、3歳ともなれば、もうこのままかなと思うところもあります。

例えば、デデの尻尾。
彼の尻尾は断尾されていますが、他のグリフォン達よりちょっとばかり長めです。とても掴み易い尻尾なので私はこれを気に入っています。
虐待の証拠写真みたいになるのでカメラには収めていませんが、かなり長いことこれを掴まれてぶら下がったまんまデデは平気でいられます。尻尾はプリプリ振ることができるので、神経が通っていない訳ではないのですが、ワンコなら普通嫌がるのではないでしょうか。
神経細胞は刺激を受けると電気を作り、脳まで電流が伝わってそれを認識することで  "痛い" とか  "くすぐったい"  とか感じる訳で、電気信号だから感じ取るまでは一瞬です。
デデの場合は、尻尾と脳の間の何処かに絶縁体が入っているらしく、どうもそこの経路が上手く開通しないままになりそうです。今度動物病院に行く時に相談してみるつもりですが、また変なこと言って...と思われるんだろうか。


もうひとつ、このままだろうと思われることはデデのヘンテコな脚の運び方。
楽しそうに前脚をぐい〜んと上げてパカポコ歩きます。ちょっとヌケているような空気がありますが、良く言えばポニーちゃん。
これは周りから  "変だ、変わってる"  と言われたので、彼が1歳になる前に動物病院で診てもらいました。獣医はこれを兵隊歩きと呼んでいましたが、デデの場合は骨格には異常はなく、脳から発せられる信号(デデの落ち着きのない性格)がこの様な仕草をさせるのではなかろうかとの見解でした。脳科学の世界は未知の部分がまだ多く、私の理解の範疇を超えているので、その時はそれ以上追求することなく、すんなりその意見を受け入れました。
しかし、デデを観察する中で、どうやらそれだけではないかもしれないと思うようにもなりました。
それは、デデの前足の形状。
第5指(小指)がかなり高い位置に付いています。狼爪みたいに決して地面に触れることはありません。

以前、イヌ達の前足にインクを塗って足形スタンプで遊んだ時、デデの場合どう頑張っても上手く押せませんでした。掌球(前足中央の大きな肉球)の周りにあるはずの指球が4ヶ(5ヶ目は狼爪の指球なのでこの場合無視)揃わないのです。
デデの前足スタンプです。 掌球と3ヶの指球...  変なイヌの足形。右側にあるはずの小指の跡を残すことはできませんでした。

もしデデが野生化したら...   ウロチョロして残す足跡を発見する動物学者は、ここら辺には新種の生物が生息しているらしいと調査に乗り出しちゃうかもしれません。

ウマの足の指は元々5本あったのが中指だけが残ってひとつの蹄となりました。そして足が速く、長い間草原を走れる身体になりました。人はそれを進化と呼んでいます。デデも進化しているイヌなんだろうか...  デデも足が速いのです。
イヌはヒトと違い、基本爪先立ちをしているのですが、デデの場合は接地する指が更にひとつ少ないわけです。後もう1本減って2本の指で爪先立ちしたら... ウマになる前にウシ、ブタ、ラクダの仲間になるのかな?
いったい何者に成りかけているんでしょう。自分は一応イヌでボステリだと思っているみたいですけど。




残念ながら進化の途中で種を絶やしたデデですが、結構神経が鋭く細やかな所もあるんです。

そして、それらしき顔付きもたまにしてくれます。

デデは遊んでいる間でも身の回りの情報に常にアンテナを張っているので観察力は優れています。
ミンモは遊ぶ歓びで頭の中がマッチロケ状態のイノシシみたいになっちゃて、飛んで行くお目当てのおもちゃも実はろくすぽ見ていません。見失ってあらぬ方向へすっ飛んで行ってしまうことがしばしば。デデは見失うことなく追うことは出来ます。
ただ、色んな事にアンテナ張り過ぎるのか途中で興味の対象が新たに現れるとそっちに行ってしまいます。言い換えれば、集中力、執着心は正直ありません
デデは足の速いワンコを追いかけるのが好きだから、足の速いのがわんさかバラバラに走っていれば、取っ替え引っ替え追いかけ回して飽きることなくずっと走り続けます。

また、散歩の時でも遠くに居るヒト、イヌ、ネコに逸早く気付くのもデデです。
デデの発する信号にミンモが刺激されるのが殆どです。ミンモはたまにそれすら気付かない時もあり、残り香を嗅いで興奮するなんてこともあります。デデが鋭いのではなく、ミンモがただ鈍いだけだったりして...

更にデデの繊細なところ。
変な話ですが、歩いている途中で舗床の材質が変わると、おしっこが出てしまいます。これは環境が変わることで緊張するかららしいです。アスファルト、コンクリート、石畳、砂利や土、切り替わった所でスッキリ。
特に散歩コースで池上本門寺の境内に入ると数回やってくれます。石畳で、砂利で、アスファルトに戻って...
困ったことに本堂の真ん前を通過する時ももよおしてしまうので、あわてて横切ります。本堂の入り口前はずっと石畳を歩くだけなので、ここにはデデを緊張させる霊的な気でも漂っているのかしら、信仰心のない私にはさっぱり...

そして約7ヶ月前、我々の心を深く傷つけてしまったあの大地震、その後のなかなか収まらぬ余震続きのなかで、彼はかなり辛い思いをしてしいました。あの頃は、揺れる前の地鳴りを聞いて、あっ、来るなと私が思うないなや、デデが部屋中を飛び跳ねて外に向かってギャンギャン吠えての繰り返しでした。彼にとって良からぬものは、外からやって来るんですね。
ミンモはデデの騒ぎとそれに続く揺れで目覚めるものの、冷蔵庫前に直行しておすわり。地震の恐怖から気を逸らそうとご褒美をあげていたら癖になってしまいました。
デデの私へのひっ付き虫度はupして、家の中では常に私にへばりついていましたが、ようやく落ち着きを見せたのは夏入り前のことでした。



一方、もう3歳なのですからこのままでは済まされないこともあります

それは拾い食い。
ランの中でどんなにビュンビュン走り回っていても、めぼしい木の実やらチップを見つけてはササッと一瞬にしてパクリ。それも、食べるなと叫ぶ私の顔を見ながらなので、本当に憎たらしいです。放牧中はリードのコマンドが効かないし...
ウチのも仔犬の頃はやってたけどねぇ〜、1歳くらいのワンコの飼い主さん達は、涼しい顔して口を揃えてそう言います。
拾い食い防止用の口輪は鼻ぺちゃデデには合わず、野良仕事用のボロ靴下でマスクを作ったこともありますが、口を3回ぱくぱくしたくらいではずれてしまったので、安易に道具に頼ることは断念しました。


夏の間は蝉の抜け殻を美味しそうにムシャムシャ食べていました。これからはドングリの季節なのでピーナッツチョコレートの様なモノを排泄してくれることと思います。許可もしていないのに物を食べるなんて飼い主をまだまだ甘く見ているのでしょうね。でも、私はこれだけは絶対に諦めません。






   
 

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