2011年10月24日月曜日

イヌの移動教室 _2



さて、石廊崎から宿まではおよそ30kmです。
30kmあれば途中に売店くらいはあるだろうと思ったのが甘かった。あったのはガソリンスタンドだけで、な〜んにもありませんでした。どう足掻いても無いものはナイ訳で、目的地も人の住む所だし、ましてや宿ならば酒はそこで頼めば良かろうと諦め、さっさと直行することにしました。

エネルギー切れのボブ

大好きな鞄の中でグースカ寝て移動の前半を過ごしたすっきりミンモ

デデは抱っこ袋の中でキョロキョロ、恋は窓からの景色をずっと楽しんでました。





辿り着いた宿は岩地温泉の山の中「ブラッキーハウスなかじま」です。
我々が敷地内のランとテラスで一服しているところにご挨拶に来たのは、オールドのムックとドーベルのケイト。どちらも懐っこく、落ち着いていておりこうさん。

この宿にはチワワからラブまで計24頭の看板犬が居ます。

実はここに私は不安を抱きながら来ました。
ミンモは仔犬の時に遊びを誘う舞を踊ったら、いきなり甲斐に首を噛まれてブン回し(その時着ていた服のバカみたいにでっかいフードが身を守ってくれました...汗)されて以来、相手がただ大きいだけでいちゃもんつけて挑んで行くイヌになってしまったからでした。唯一それから気を逸らすことが出来るのがおもちゃなのですが、ここは崖の上に立地しているのでおもちゃ投げは出来そうにもありません。ただ、彼にとってはアウェイで初めての場所。そのような行動には直ぐ出ないとは思ったし、実際ムックとケイトとはちゃんと挨拶できました。しかし、ミンモは恐ろしい早さで環境に順応して、何処でもオレさまの場所にしてしまう図々しいイヌなのでした。

ムックとケイトに続き、小型犬軍団が元気良く登場です。

女将さんが鼻ぺちゃ大好きで、ボブやミンモと同じ顔したのが数頭居ます(確かフレブルx5にボステリx2)。なので彼女はデデにとても興味を示していました。実際、その晩ネットでグリフォンを調べてファンになったそうです。

宿の大将が、パンパンッと手を叩いて   "ハウス" の一声で、みんなサササッと看板犬達はハウスに戻って行きました。もうゾクゾクする程カッコ良かった〜。あれからウチでも試していますが、ぜ〜んぜんです。

小型犬軍団と入れ替わりで大型犬達が登場しましたが、さすがにミンモはビビってこちらに助けを求めて来ました。おもちゃを寄越せと要求する時以外、私の膝にすがって来るなんてこと今までしたことなかったかも。でもその表情はいつもとは明らかに違います。気を逸らそうとしてもなかなか落ち着きませんでした。
でも、ミンモは襲われている訳ではありません。
みんな元気に動き回っているだけなのでここで彼を抱っこすることはNGです。 もちろんミンモが逆に攻撃的になっても抱っこはダメ。そんなことしたら上から目線になって付け上がるだけですから。
そんな中で私は大型犬組と戯れる写真を撮る余裕がありませんでした。デデはビビりながらも意外とそつなく振る舞えます。いざとなれば、さっさと腹でも出しておけば良かろうぐらいに思っているイヌなのです。ただ、上の写真では看板小型犬達の勢いにビックリしてちょっと目が飛び出てますけどね。

大型犬達がハウスに戻った後、我々のリクエストに応えてやって来てくれたのがボクサーのグレイス。
このコは家族以外の小っこいのを追いかけ回しちゃうのでリード付き。立派な筋肉を持つ若いお嬢さんでした。



さて、部屋に戻っても、ひと風呂浴びて暗くなって夕飯待つ頃になっても、生徒さん達は一向に落ち着きません。
そこに、よその生徒さん用マットで図々しく寛ぐイヌ一匹はミンモでした。もう既に環境に順応しています。どこでも寝られるホームレス犬です。ぼぶぞうだゾウさんのハウスの指示に従い、ボブは渋々一緒に。


恋とデデがプロレスに明け暮れているなか...

ミンモはそんなことに目もくれず、誰かの側に行っては腹をかけと要求します。イヌ社会での協調性は非常に低く、おもちゃ無しの丸腰のお付き合いは超へたっぴ。



ぼぶぞうだゾウさんがお風呂から上がって戻って来たのでお出迎え。

お風呂の間、次の間でずっときゅんきゅんご主人様を待っていたボブがやっと部屋に戻って来ました。ひとりっ子ボブ、初めてのお泊り旅行でちょっと不安げです。


夕食は海の幸でたらふくになりました。上げ膳据え膳もたまりません。これも旅行の楽しみのひとつです。(写真提供:アホのたか・・・だ)


暴れ過ぎて水をがぶ飲みしたデデの派手なお漏らし以外はトラブルもなく、生徒さん達良いコにみんな寝てくれました。
旅行では寝ないと聞かされていた恋もすやすや。くるくる尻尾の伸び切っているのを初めて見ることが出来ました。
ミミデデ達はボブと一緒にぼぶぞうだゾウさんのお布団で就寝。私は寝相が悪いのでフリーでした。





一夜明け、朝食は前日イヌ達と遊んだ眺めの良いテラスでとることにしました。

生徒さん達にもパンの耳が用意され... すでに夜明け前に散歩を済ませ、朝ご飯食べちゃってるのに飢えているミンモ。ミンモは小麦粉はおなかPPになるのでダメなんですが、女将さんからいっぱい貰ってしまいました...   でも、心配していただき後で整腸剤も頂戴しました。



朝食後は、またもや看板犬達のお出ましです。今度は大型犬達からでした。

思うに、このテラスはミンモにとっては既にオレさまの場所になっているはずです...
運の悪いことに、踊るように勢いよく飛び跳ねて来たまだ4ヶ月半のスタンダードプードルが、ミンモの上に着地してしまいました。ぶちギレたミンモは仁王立ちで向かって行き、敢え無く御用。その後、有無を言わさず大将に抱っこされてしまいました。知らない人に抱っこされるのは問題ないとのこと。


一方、デデは私に応援を求めて来ました。

私も参戦してくれると思ってか、ビビりながらも最初は精一杯果敢に立ち向かいます。牙の代わりに目玉を剥き出しにして。

だんだん雲行きが怪しくなるのを感じ...

尻尾と耳をたたんで静かに退散して行きました。


その後、ミンモはデカ看板犬達と付いたり離れたり、何度かガウして確保され、その度に情けない顔を曝してしまいました。



デデはよく頑張りました。でも、少しやつれて見えます。

総じてこの一時限目は、生徒の皆さん達はおどおど緊張気味でした。


大型犬とバトンタッチで来てくれた小型犬達、昨日とまた違う顔ぶれです。


しばらくすると、朝食前に入りそびれたお風呂(大きめの岩風呂で気持ちいいです)へと、たかさんがテラスを後にしました。と同時にミンモもそこから姿を消し、ずっとラン・テラスの出入り口にへばりついて門番になってしまいました。
面白いもので、ミンモとデデと数人で旅をするといつも思うのですが、ヒトを含めた御一行をいつの間にやらひとつの群れとして彼等は認識してしまうようです。そのうちの誰かが欠けると気になって仕方がない、今回も例に漏れずでした。
一晩同じ部屋で過ごすことで、ミミデデ達はみんなと更に絆を深めることが出来たようです。もう安心して恋とbobuのおうちに彼等だけで泊り歩かせられますね。

この章終わり

   
 

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